衆院選直前 四国新聞はなぜ小川淳也氏に当てないで報道したのか│プチ鹿島

ヒントになるのは四国新聞は平井卓也議員の弟が社長、母が社主を務めるファミリー企業ということ。選挙で常に接戦の小川氏は平井ファミリーの天敵なのである。

デジタル大臣になった平井氏を四国新聞では大々的に報じた。しかしデジタル庁の相次ぐ不祥事はベタ記事扱いだった。さらに『平井デジタル相が出席の会議、音声データ保存せず 私文書扱いに』(毎日新聞WEB)というスクープを各紙は後追いしたが四国新聞は紙面で報じていなかった。いかがだろうか。「書いていない」部分に読みどころがある。

そして今回の小川報道の「書き方」である。

新聞の政治部記者を知っている人に四国新聞の今回の書き方について聞いてもらった。すると、
「街頭活動で話したりツイッターに書いているという事実があるにしても、普通は小川氏にあてて(取材をして)、双方の言い分を書くでしょうし、ノーコメントだったとしてもその旨を書くと思います。選挙前ならなおさら気を使うところなのですが。」
予想通りの見解だった。新聞であるなら「選挙前」はなおさら双方の言い分を書く。あ、四国新聞は「選挙前」だからむしろああいう書き方にしたのか。

私は新聞は偏っていて当たり前だと思っている。だからこそ論調の違いを読み比べするのが楽しい。しかし新聞社の経営一族から政治家が出ていて、その政治家を紙面でゲキ推ししていたら話は別だ。それは紙面の「偏り」ではなく「私物化」である。
選挙前の四国新聞はヤバいほど面白い。もっと追い続けなければいけないと思いました。

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※衆院選ネタ、地方メディアが牛耳る実態、「Dappi」問題、ノンフィクション作家には種類がある、など話題がたくさん。視聴期限は10月28日(木) 23:59 までです。ぜひご覧ください。
“タブーなきニュース空間へようこそ” vol.5【出演】青木理、久田将義、プチ鹿島 https://twitcasting.tv/loft9shibuya/shopcart/1068 (文@プチ鹿島 連載「余計な下世話」)