RIZIN榊原信行代表とは何者か 「ファンは私に卵を投げて欲しい」「将来、朝倉未来とはプロデューサーとして対峙する」

榊原代表 当日のメイン2試合は、どういうドラマが待っているのか、そのドラマが次どう転がっていくのかというところも含めて、ファンの人たちもそこに期待もある。もうひとつ先がなんとなく見えているので、そこへの期待感もあって、4.29の牛久絢太郎vs朝倉未来、斎藤裕vs平本蓮戦を2本立てで観られるっていう。

――次の次ぐらいまで、見据えられるようなカードですよね。

榊原代表 フェザー級のなかでいろんな展開が生まれていく予感はしますよね。

――ファンはストーリーがないと気持ちが入っていけないですもんね。四人のダブルメインを張る二人。平本選手と朝倉選手のSNS上でのやり合いはRIZINの盛り上がりにおいても大きいものですか?

榊原代表 大きいんじゃないですか 。朝倉未来という存在は彼のセルフプロデュース能力が凄い。ホントに未来選手って天才だと思うんですよ。格闘IQも高いのかもしれないけどプロデュース能力がすごいし自己表現もうまい。

――朝倉選手がYouTubeの登録者がまだ、20万人ぐらいのときにインタビューしたんですね。で、格闘家としての目標を聞いたら「30歳までに1億円稼ぐことです」と言っていました。内心僕は「珍しいな」と。「RIZINのチャンピオン」とかではないんだ、と。『月刊実話ナックルズ』編集長時代から、色んな不良少年に、延べ何百人くらいインタビューしているんですけど、ごくたまにこういった不良少年独特の、こちらの想像を超えた思考回路を持つ人がいるんで久々にこういう人に会ったなと今でもその受け答えは憶えています。

 

「誰にも媚びない」総合格闘家 朝倉未来選手(YouTuber) 格闘技界は朝倉未来・海兄弟を中心に回り始めた| TABLO https://tablo.jp/archives/14994

 

榊原代表 世界最強を目指す、ということは未来選手は言ったことないと思うんですよ。最近では「あいつとやりたいですね」「ベルトは獲りたいですね」みたいなことは言ったとしても、それは手段なんですよね。目的は違って、今、言われたみたいに金を稼ぐこととか、社会的な影響力を持つ事なんだと思います。

――インタビュー中、ふと「この人はプロモーター向きでは」と思いました。なので「興行打ったらいかがですか?」って言ったら「面白そうですね」と即答して、2、3年後にBreakingDownをやり始めたんで、「やっぱりな」と納得しました。あと「自由に生きたい」と言っていたので言動の根本はそこにあるのかな、と。

榊原代表 僕らは「格闘家・朝倉未来」というよりは「プロモーター・朝倉未来」という人と対峙することに、数年後はなるんじゃないですかね。彼は格闘家としてもこれだけの実績を上げて、320万人もフォロワーを持つYouTuberで、色んな力を持っている。BreakingDownの次に、じゃあ朝倉未来が何かをぶち上げたときに、そこに一定のお金も注目も集まるだろうし。ひょっとするとRIZINを脅かすようなコンテンツを朝倉未来がぶち上げるかもしれないですしね。RIZINのマッチメイクをやりたいぐらいのこと言っていたからね。

――平本蓮選手もクレバーですよね。平本選手が22歳のときにインタビューしましたけど、22歳であんなに的確なワードやセンテンスは出てこないですよ。

一挙にトップ戦線に食い込んだ平本蓮選手と最も難敵とされる強豪・者斎藤裕選手。

榊原代表 そうですね。あれはなかなか曲者というか(笑)。未来選手もそういう意味ではある部分、認めているんじゃないですかね。

――だと思います。平本選手が色々な人に噛みつくのは納得できるんです。対象が、目上や自分の中で筋が通っていない人に噛みつきまくっている。若いころは気にくわなければどんどん噛みついて良いと思っています。どの業界も(メディア業界も)出てくる人はそうじゃないですか。

榊原代表 平本蓮選手が斎藤裕選手に勝ったら未来選手はやると思いますよ。

――ですよね。格闘技界が盛り上がるのは分かっているでしょうからね。

榊原代表 分かっているし、それがお金になることも分かっている。マッチメイクの交渉って大変なんだけど、未来の場合はわりとすんなりいくんですよ。「こいつとやらなきゃダメですよね」っていうのは分かっているんですよ。そういう感覚がない人は、とにかくこれでやるべきだっていうことを100万回言っても「いや、今はこっちの選手とやりたいです」って言う。「誰もそれを求めてないよ」って言っても分からないんですよ。未来はその感性があるから「それやるぐらいだったらこいつとやったほうが面白くないですか?」って逆提案がくるくらい。「それやれんの?」って言ったら「やります」って。クレベル戦なんかはそう。「いま僕とクレベルがやったら面白くないですか?」っていうのを未来から言ってくるから。

――もう、プロモーターの思考ですよね。

榊原代表 そう(笑)。勝つことだけを求めているんだったら「クレベルはもうちょっとあとにして、1試合もうちょっと軽めの相手で」って言われても然りなんですけど、そこは彼はすごいです。

4.29はどんなドラマが生まれるのか―ー。

―ー4月29日RIZIN LANDMARK 5 in YOYOG、5月6日 RIZIN 42 有明アリーナと話題の大会が続きます。

https://jp.rizinff.com/_ct/17603551

https://jp.rizinff.com/_ct/17603552

「RIZIN新章幕開け」を願っています。でも卵はぶつけられないようにしてください。(インタビュー@久田将義 写真@編集部)