「RIZINゴールデンウィーク」が始まった 朝倉未来が「総合」に帰ってきた夜
僕はプレス席にいた訳ですが、近くの記者かライターかネット関係者が、初戦から試合半分まで、ずっとスマホを操作してました。試合結果をネット媒体に送っているのかと思っていましたが、ほぼ顔を上げていませんでした。すなわち試合を見ていないのです。それってどうなのか。
チケット開始数分で完売。実際に会場に行きたかったファンもいるはずです。それを運営が用意した席に座り、途中まで(RENAvsクレア・ロペス戦あたりまで)試合をほとんど見ていない。
ファンに失礼でしょう。
我々、プレスは大会運営の好意で席に座っている事を忘れてはならないでしょう。メディアが傲慢になってはいけません。
続いてマイナス面ではなく、SNSでの気になったやり取りを記してみます。ある元有名格闘家がSNS上で、ファンの方々に技術的ことや戦術的なことを批判的に言われ、「格闘技をやったこともない人に言われたくない」的なイライラツイートをしていました。
気持ちは分かります。ただ、反論も当然あり、最も多かったのが「あれこれ言いたくて俺たちはお金を払っているんだ」。そう、試合が終わってから仲間と居酒屋で、あるい一人でSNSで言いたがるのがファンというものです。確かに元格闘家の言うことも分かります。未経験者がプロに技術的なことをアドバイスするなんて、と。
例えれば大谷翔平選手に「もう少し、腕を下げたらスピードが出ますよ」と野球未経験者のファンがアドバイスするようなものなのかも知れません。もちろん、最低限の礼儀はSNS上でも必要です。また誹謗中傷の類も避けましょう。
ただ、プロである以上、ファンがいてこそ「プロ」と呼ばれる訳ですね。ファンがいないのならそれはアマ選手です。「プロは辛いよ」という映画のタイトル的なメンタルも必要になってくるのではないかと思います。
また、格闘技の人気が上がっているのではない。特定の選手だけ(朝倉未来選手など)の人気で盛り上がっているような見えるだけ。という批判もありました。要するに格闘技人口の底上げにはなっていない、と。意地悪い見方ですが一理あります。
というのを認めた上で、またも大谷翔平さんを例に出して申し訳ないのですが、前回のWBC視聴者で、野球を定期的に見ている人はどれだけいたでしょう。僕の肌感覚では、「野球は全くみないけれど朝の大谷選手の結果のニュースだけは見る」という人も相当数いたように思います。
格闘技も同様です、井上尚弥選手は見たい。けれどボクシングをいつも見ている訳ではない。朝倉未来選手を見たい。けれどベラトールって何?という人もいる。ただそれは「ブームの構造」でもあるのです。
つまり、格闘技に限ったことではく「ブーム」というものをとらえれば、「格闘技の本当の人気が定着しとは言えない」は確かでもありますが、それをマイナス要素に捉える必要はないと思われます。榊原代表も言っています。
「僕はトランプ元大統領みたいになりたいんだ」
「アントニオ猪木さんにインスパイアされている」とも言っていました。つまり、榊原代表はブームという「熱狂」を起こしたい「仕掛け人」を目指している訳です。
RIZIN榊原信行代表とは何者か 「ファンは私に卵を投げて欲しい」「将来、朝倉未来とはプロデューサーとして対峙する」 | TABLO
なので、まずは総合格闘技の存在を世の中に知らしめるのが、第一段階。ネットだげでなく選手が地上波に出演する事も必要になってくるでしょう。
5月6日にRIZIN42が有明アリーナで開催。こちらも同じくWメイン。朝倉海vs元谷友貴と井上直樹vsフアン・アーチュレッタが組まれています。
https://jp.rizinff.com/_ct/17603552
RIZIN漬けのゴールデンウィークが始まりました―ー。(文@久田将義 写真@RIZIN FF)