HKT48の「唯一輝く碧い宝石」本村碧唯さん卒業前インタビュー フォトブック『未来の手前』に込められた意味
本村さん そうなんです、本当に長くて(笑)。「私どんぐらいしゃべるんだろう」って。
――残念ながら、ランクダウンされてしまったにもかかわらず、徳光さんがしつこく聞いていましたからね。あのときは本村さん推しが「徳光許さない!」って言ってました(苦笑)。
本村さん そうだったんですね(笑)。ランクアップしたメンバーに聞けばいいのに、なんで私ばっかりと思って(笑)。
――そりゃ思いますよね。僕、息子さん(徳光正行さん)と知り合いなんで言っておきますね。
本村さん ハハハハハハ!
――それと、もう一つの転機がありました。妹キャラと言われていたところからいきなり、キャプテン(チームKⅣ)になりましたけど、心構えの変化は必要でした? たくさんの女の子をまとめるって想像もつきません。
本村さん そうですよね(笑)。コンサートでのサプライズ発表だったので、そこからの準備でした。前任の多田愛佳ちゃん(初代キャプテン)が卒業する最後の公演まで短かったので、やりながらどんどん自分を変えていくっていう感じでしたね。最初はホントに泣いてばっかりだったんです。
――泣いていた? そうだったんですか?
本村さん 裏では泣いてばかりで。でも、私のチームは同期が多かったので、支えてもらっていました。キャプテンってしっかりしなきゃというイメージがありましたし、頑張らないと、という気持ちが大きかったんですけど、周りのメンバーに支えてもらいながらやっていると、途中からはみんなで作り上げていくものだって感じたんですね。
「私が一人で頑張らなくていいんだ」「私ができないことは支えてくれる」と、みんなすごく頼りになる事にちょっとずつ気づいて、そこからはあんまり気負うこともな泣くこともなく、楽しくキャプテンを出来ました。
●「私にとってファンは、私以上に私を分かってくれる方たちです」
――キャプテン歴は、長かったですよね。
本村さん はい、5年ぐらいですね。
――それから、すごくしっかりされてトークもバッチリでしたもんね。
本村さん 嬉しい。ありがとうございます。
――別人かのように。
本村さん そんなにですか?(笑)
――14、15歳の頃の本村さんを思い出すと、こんなにも成長するものかと思いました。
本村さん はい、何とか成長できました(笑)。私のファンの方はすごい甘々で。何でも誉めてくれるんですよ(笑)。だから誉めて延ばしてくれました。
――ファンの話が出たのでお伺いします。本村さんにとってファンってどんな存在ですか?
本村さん 「(私を)一番わかってくれる方たち」かもしれないですね。「私より私のことを知っていて、なんでそんなことわかるの?」っていうぐらい私のことを知ってくれていて。ホントにすごいなと思いますし。支えてくださいました。
――アイドルってファンあってのものですからね。
本村さん そうですね。
――そんな優しいファンを呼び寄せたのは本村さんの人柄じゃないですか?
本村さん だったらいいんですけど(笑)。嬉しいです。
●後輩に向けてのメッセージ
――卒業コンサートや公演で恐らく言うとは思いますが、今の時点で後輩にHKT48をこうしてほしいっていうのは何かありますか?
本村さん 私たちが入ったとき、秋元先生に「仲のいいグループでいなさい」って言われて、その言葉をみんな心に刻んで全てを楽しんでHKT48をやってきたので、何でも全力で楽しんで頑張っていくところは変わらないでほしいです。
でも卒業メンバーもいて、歌うメンバーによっても曲の聴こえ方や、見え方も違うと思うので、コンサートの作り方や曲の表現の仕方は私たちにとらわれ過ぎず、自分たちなりに「これがいまのHKT48です」って魅せていっていいと思います。
変わっていくのはちょっと勇気がいりますけど、それを楽しんで見てくださる方もいますし、自分たちでも刺激がないと成長していけないと思います。だから、自分たちなりに楽しいことを新しく見つけつつ成長していってほしいなと思います。
――将来は本村さんのダンス教室で学んだ方がメンバーになったら良いですよね。
本村さん そうなったら嬉しいですね!(満面の笑顔)
※
カメラマンの菊池茂夫さんが、本村さんに撮影中、リクエストを出します。「笑顔でお願いします」。菊地さんは国内外の有名ミュージシャンや俳優をや主に撮影しているベテランです。そのベテランカメラマン菊池さんが撮り終えた一言が忘れられません。
「(リクエストするまでもなく)全カット笑顔でしたね(笑)」。
本村さんの人柄を象徴する言葉だなと感じました。
唯一輝く碧い宝石・本村碧唯さんは僕らの前でも輝いていました。誰にでも。どこでも。いつまでも。
【本村碧唯の前には、未来が広がっている。卒業を決めた彼女なら、今すぐにでも駆け出してもいいのに、その手前で、ゆっくり、一歩一歩、踏みしめるように歩いているのが、本村碧唯らしい。秋元康】(『未来の手前』より)
(文@久田将義 撮影@菊池茂夫 写真提供@双葉社)
●次ページ『未来の手前』(双葉社刊7月7日発売)から写真(一部抜粋)