ジャニーズ流を貫いたTOKIO謝罪記者会見とジャニーズ姉弟の支配力の低下|平本淳也

2018年05月02日 TOKIO ジャニーズ 山口容疑者 山口達也メンバー 山口達也容疑者 強制わいせつ 書類送検

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 TOKIO4人のメンバーで行った記者会見は概ね予想通りの内容と流れで、予見していた山口の脱退も視野として含んだ発言となった。TOKIOとして担っている業務について一時保留を含めて停止や解除という経緯はなく、いわゆる「仕事」については基本的に継続はするものの、山口個人のTOKIOからの脱退は「そうするしかない」と予測した通りの流れと見て良いだろう。

 しかし、決定した事項ではないということと会見は「謝罪と説明」で終始するよう上手に務めていたと思う。涙ながらも口々にした反省や責任、あるいは状況と見解は正直なメッセージとして全国に伝えられただろうし、それが今の彼らにとって最大限の誠意であることも理解は示されるだろう。

 なによりもメンバーたちが見た「生まれて初めての辞表」が山口からだっというのは世間を納得させる唯一の手段だったと思う。この騒動をどのように処理していくか不謹慎にも「見もの」ではあると思うのは業界関係なら興味があるところだろう。発覚から時間を置かずに会見という形式が取られて進められた背景には事の重大さを深く感じられた。

 ただ、ジャニーズがこのような会見を開く時が来るとは昔なら想像も出来なかった。事件や事故の多さを思えば会見自体が少ない天下のジャニーズ事務所。いや会見どころか本来なら伺いたい企業としての説明責任や管理者として立場にある所属事務所の責任者は一切出てこないのがジャニーズ流で、こんなにも全国を騒がせている事件をもっても担当者のひとりも紹介されないのは昔から変わっていない。

 そんな半世紀以上もアイドル帝国として君臨してきているジャニーズではあるが、大人になった子供たちの管理は「慣れていない」のも現状である。過去の最年長と言えばフォーリーブスのおりも政夫さんが代表的だが、それでも40代になってすぐジャニーズを後にしている。
 多くがグループの解散や変更によって事務所を離れたりアイドルという立場から変わってゆくのだが、アイドルは20代までとか、人気がなくなったらグループの解散という「キマリ」が定義としてなくなった現代の環境に40代や50代となってもジャニーズというのは「ジャニーズ事務所」自体の初体験実施中である。

 現在の最年長で50代も半ばとなる近藤真彦は役員としても席を置き、全員が50代で主な活動をしていない少年隊は解散もしていないが東山の無理な露出でその立場を保っている。SMAPにせよ今でこそ全員が40代、嵐やキンキなど人気どころは皆が30代で平均年齢は社会と同様に大きく上がっているのはジャニーズも例外ではない。

 なんでも言うことを訊いていた一生懸命で真っすぐなカワイイ子供たちの管理は容易だったのかも知れないが、40にもなった大人たちのプライベートまで把握することは難しく、またそのプライベートをすべて曝け出せという強制もできないゆえ、隠された行動や無理な関係もチラホラと世間を騒然とさせることになる。マネージャーやスタッフは業務上での関係でしかなく、また親を語るジャニーさんについても他人ということは言うまでもない。


犯罪を犯しても味方してくれる不思議


 山口の犯した罪は消えることはないが、それにしてもジャニーズの力が及んでいれば少し方向も結果も違っていただろう。つまりは報告・連絡・相談の経緯である。一般的な企業であれば、TOKIOは「部署」であり、さしづめリーダー城島が部長といったところだ。これも「大人グループ」だからそのような環境に整えられるが、光GENJIやそれ以前の「子供」グループには到底当てはまるものではない。

 まずメンバー同士が話し合いをすることなんてほとんどないし、グループの活動や内容に至ってまで「会議」することは皆無である。ジャニーさん、あるいは企画を掲げる制作やレコード会社のスタッフの指示に従っていくだけで「部署」として意識機能を持った責任ある行動は出来ないしやらない。そんな80年代から大きく変わってオトナになった子供たちにも「責任」というものが芽生えてそれを意識してくるが、それでもグループや関係者の中の仕事をする社会人としてはホウ・レン・ソウという基本的な行いを欠いたのは非常に痛い。

 例えば、東京都にせよ味方的な姿勢の都知事も含んで「協議中」としているところはさすがのジャニーズである。本来なら即刻クビでしょう。誰が犯罪者のいるグループを世界的なイベントのキャラクターに使用するのか不思議なところだが、芸能界は「犯罪」に対して全体的に甘いので山口の思う行動や言動にも驕りがあったのだと思う。フォーリーブスからSMAPまで先輩らには犯罪者が多数いるが、それでも芸能活動を有利に進められている背景に「ジャニーズ」という後ろ盾が個人の甘さを露呈させてしまったのだろう。

 特に、二人の逮捕者を生んでも最後まで国民的アイドルでいられたSMAPがきっかけで劇的に甘くなったのは言うまでもないが、彼らがグループではなく個人だったら解雇や解除は当然として行われていたはずだ。光GENJI解散後でもジャニーズに残れて俳優としても活躍していた赤坂晃は逮捕後に即契約を解除されているが、もし光GENJI続行中ならどうだったか。

 吾郎と剛は「SMAPに守られて」今があると言える。もしSMAPが解散していて属するグループがなかったら吾郎も剛も犯罪者としてジャニーズからも芸能界からも追放されているだろう。今回のTOKIOにせよ同じである。山口の処分を即時に出せないのはグループに属しているからであり、ソロだったら既に解雇は言い渡されている。

 つまり「TOKIO」(グループ)に守られたメンバーとしてその立場があり、一時的にも環境を保全できているというわけだ。しかし山口は事件についてジャニーズの後ろ盾を利用していない。誰に相談することなく、また報告することなく隠密に処理しようと試みたところ、その失敗によってトップニュースとなってしまったのは、会見時の松岡の言葉にあったように「相談していれば」被害ももっと少なく済んだのかも知れない。もっともこの場合の被害とは企業的なものであって、事件の被害者についてではないことは記事の体系的な範囲でご容赦頂きたい。(文◎平本淳也)


TOKIO謝罪会見 なぜジャニー喜多川社長の名前がほとんど出なかったのか|平本淳也」へ続きます

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