photo by 『めぐみ、お母さんがきっと助けてあげる』横田早紀江
北朝鮮の拉致被害者の中で象徴的存在ともなっている横田めぐみさんのご両親・横田夫妻が、めぐみさんの実子キム・ウンギョンさんとモンゴル・ウランバートルで対面を果たした。横田夫妻が以前より、「自分たちが元気なうちに娘と会いたい」と語っており、めぐみさんの面影を持つウンギョンさんとの対面は、めぐみさんへの思いが募ってのものだったと理解できる。
横田めぐみさんの存在は、日本・北朝鮮の外交では極めて重要な役割を帯びている。彼女こそ拉致問題の象徴的存在であり、彼女が生存・帰国すれば制問題が片付くのでは、と推測する識者もいるほどだ。
政治利用とは思いたくはないが、時を同じくして時事通信が、安部政権の支持率が48.1%となり、50%台を割ったと報道した。小泉内閣時代に田中真紀子外務大臣更迭で、支持率大幅ダウンしたことがある。だが、その後に小泉首相の電撃訪朝で支持率が急激に上昇した。当時の官房長官だった安部氏の株も上がったわけだが、今回がそのような目的でないことを祈るばかりである。
7年前、ある拉致被害者の家族を取材したことがある。実名は諸般の事情によって伏せておくが、その親御さんはすでにご高齢で、「もう東京にも行けない。しかし、自分たちの子供には絶対会いたい」ということを涙ながらに電話越しに話してくれた。電話取材は一時間にも及んだ。実際にお会いしてお話しを伺いたかったが、健康状態が思わしくないということで実現しなかった。その方の悲痛な訴えに、僕も涙ぐみそうになっていた。その方は「自分たちの子供だけでなく、ほかの拉致被害者家族の方の子供さんも早く帰ってほしい、いつまでも自分たちが元気でいられる保証はないのだから」と切実に語っていた。
拉致被害者家族の心痛は我々が考える以上だ。めぐみさんが生存しているのであれば、この初面会を機に解決へ前進してほしい。電話越しに涙を流していた親御さんや他の拉致被害者家族にも希望が生まれる。だが、めぐみさんが生存・帰国したとしても、それで終わりではない。めぐみさん以外の拉致被害者の存在も忘れないでいただきたい。
ちなみに最近、金日成の料理人の藤本健二氏の姿をメディアで見かけなくなった。一時期、北朝鮮関連の話題を好んで取り上げるワイドショーでは引っ張りだこだったが、今はどうなのか。以前、歌舞伎町ゴールデン街でたまたま一緒になったときの印象は、「怪しい」の一言だった。あくまで個人的な感想だが。
Written by 久田将義(東京ブレイキングニュース編集長)
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