この映画はすげえ!!! アダルトビデオの裏側を描いた、村西とおるドキュメンタリー映画が完成

2018年10月13日 アダルトビデオ ドキュメンタリー映画 世界初 村西とおる 裏側

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muranishi01.JPG左から渡辺万美さん、西村賢太氏、村西監督、片嶋一貴氏、原子あずめさん(写真はクリックで拡大可能)


「お待たせいたしました、お待たせしすぎたかもしれません。昭和最後のエロ事師、村西とおるでございます」

 10月12日、伝説的なAV監督村西とおる氏を描いたドキュメンタリー映画『M 村西とおる狂熱の日々』のプレミアムイベントが開催。村西氏が上映終了後に冒頭の台詞で登場し、トークショーを行った。

 村西氏は、かつて裏本の販売で莫大な収益を上げ、逮捕後、AVに進出。黒木香の『SMぽいの好き』の大ヒットなどで「アダルトビデオの帝王」として知られ、ハメ撮り、顔面シャワー、駅弁ファックなどを編み出した。自ら設立したダイヤモンド映像は、松坂季実子、桜樹ルイ、卑弥呼、田中露央沙、野坂なつみ、乃木真梨子、小鳩美愛などのスター女優を生んだ、伝説のAV監督だ。

 この映画は、1996年に撮影したVシネマ『北の国から 愛の旅路』の制作現場にAV監督の清水大敬氏が密着して撮影した膨大なフィルムと、新たに撮影されたインタビューなどの素材を映画監督の片嶋一貴氏が編集したもの。

 トークショーではタレントの渡辺万美、原子あずめがアシスタントを担当。AV監督の代々木忠氏、片嶋氏が登壇。さらに芥川賞作家の西村賢太氏と対談を行った。

映画『M 村西とおる狂熱の日々』トレイラー


 映画の内容は、衝撃の連続。独自過ぎるプロ意識を持ってスタッフにダメ出しをし、現場から追い返される素人女優、やる気のない大勢のエキストラ、脚本を現場で執筆しながら、場当たり的に撮影内容や配役を決めて強引に進める村西監督、全裸の女性十数人に野外で童謡を歌わせるなどの奇妙な演出、脱糞、突然の役者の変更、定まらないスケジュール、「ブスばっかり集めやがって!」と飛び交う怒号、スタッフの反発、失踪、人身事故、カオスに次ぐカオス......。

 本稿の筆者を含む、アダルト産業で従事した経験を持つ者なら、誰しもが経験したであろう"あるある"トラブルが満載。現場スタッフは、誰しも真剣に仕事に取り組んでいるが、その姿を引きで見ると、滑稽だ。そして、マヌケな出演者やキレるスタッフなどに、容赦なくカメラを向け続けた清水氏の狂気の手腕が光る。


muranishi02.JPGステージを縦横無尽に動き、伝統芸能とも言える切り口で完璧に客をいじる村西監督


 独特過ぎる語り口で知られる村西監督の強烈なキャラクターも相まって、上映会場は何度も爆笑に包まれた。

 編集に数ヶ月間を費やしたという片嶋氏は壇上で、「ずっと素材を見ていて、面白くて面白くて、こんな人がいるのかと。この面白さを編集でダメにしてしまわないかと心配でした」と語ったが、その見事な編集によって、「借金50億、前科7犯」を標榜する村西とおる氏が、なぜかチャーミングに見えてくる。


muranishi03.JPG祝福に駆け付けた代々木忠監督も「君とは絡まなくて良かった」と最大の賛辞


 村西氏は壇上で「アダルトビデオの世界の裏側を描いたドキュメンタリーはこの作品が初めて。これを世界に向けて発信していきたい」と胸を張った。

「人生にくじけそうになったら、私のことを思い出してください。米国で懲役370年を求刑されたこともある。女房と一緒にイタしてる姿を、夫婦でアナルを、世間様に晒している。孫正義さんやユニクロの柳井さんと自分を比べてはダメ。下には下がいる。そのずーーっと下に僕はいるよ。そう思うと、やる気が出るでしょ」

 そう語る村西とおる氏を描いたドキュメンタリー映画『M 村西とおる狂熱の日々』の凄さを、ぜひ体感してもらいたい。(取材・文◎N.A.B.E.)

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