セクハラを訴えたら焼き殺されたバングラデシュの女子学生と同じく、私が見た焼かれるイスラム社会の女性

全身の八割に及ぶやけどを負ったものの、救出されたため、彼女は自分を襲った学生の名前を伝えることができた。懸命の救命措置を施されたが、4月10日に亡くなったのだった。

事件が起きたバングラデシュは、人口の約9割をイスラム教徒が占めている。今回事件が起きたのもイスラム教の学校マドラサである。

イスラム教徒の女性観というものは、この事件を見てもわかるが、日本人には理解し難いものがあるが、バングラデシュやインド、ネパールなどの南アジアでは、イスラム教徒にかかわらず、女性の地位は極めて低い。

参考記事:「サウジアラビアが初めて女性に運転免許交付」など序の口 『Metoo運動家』が知らない世界の女性差別 | TABLO

今から10年ほど前のことになるが、南ネパールのインド人が多く暮らす地域で、ヌスラトさんと同じように火をつけられたイスラム教徒の女性に出会ったことがある。

筆者が出会った「焼かれた」女性

ネパールというと、ヒンズ教や仏教というイメージを持つ人が多かもしれないが、南ネパールの平野部にはイスラム教徒も少なくない。宗教にかかわらず、総じて保守的な生活を送っている人々が大多数を占めている。

ネパールの一部に今も残る風習が幼児婚である。十代前半もしくは、それより幼い男女が、父親同士が決めた相手と結婚するというものだ。私が出会った火をつけられた女性というのは、15歳で嫁いだものの、夫の家族とうまくいかず、被害に遭っていた。