ラグビーワールドカップに感涙 ラグビーにおけるノーサイドとは何か アイルランドはなぜ日本を花道で送ったのか

対戦相手に対するリスペクトという点で思い出すのが、開幕のロシア戦後。日本代表のキャプテンリーチマイケルが、ロシアチームのロッカールームを尋ねて、トライを決めた選手に模造刀をわたし、健闘をたたえたと報じられた。ロシアの選手たちから感謝の拍手が起きたという。

また10月5日の日本とサモアのゲームのあとにも、両チームの選手が一緒になって客席にあいさつしたシーンがニュースなどで繰り返し放映された。

改めて振り返ってみると、ほかのスポーツに比べて、ラグビーでは選手が互いに健闘をたたえ、賞賛しあう文化が根付ているように思える。そもそもラグビーが持つノーサイドとは何か。

 

それは、ラグビーというスポーツが長年、大切に守ってきた「価値」に由来する。

世界のラグビーを統括するワールドラグビーが掲げる「ラグビー憲章」に5つの「価値」が明記されている。

「情熱」「結束」「品位」「規律」そして「尊重」の5つである。

ラグビーは、見ての通り、肉体を極限まで鍛え上げ、ぶつかり、ボールを奪い合う。人間が持つ闘争本能を最大限に引き出さなければ、プレーできない原始的ともいえるスポーツだ。

「情熱」がなければ、2メートル、120キロをこえる巨人にタックルできない。

また、球技としては最多の1チーム15人。1人1人がばらばらにプレーしていては、チームとして機能しない。ここで必要なのが「結束」と「規律」である。

さらに原始的な闘争本能だけでぶつかり合っていたら、やがてただの殴り合いのケンカになってしまう。だからこそ「規律」と「品位」が重要になる。

そして最後の「尊重」。

参考記事:飛田給熱中行軍! ラグビーワールドカップで死の彷徨 2020東京五輪で観客が熱中症死するこれだけの理由 | TABLO