平成時代の青年たちを熱中させたスーパーファミコン『スーパーフォーメーションサッカー』|中川淳一郎

当時やっていたゲームといえば、なんといっても『スーパーフォーメーションサッカー』(ヒューマン)だ。現在のサッカーゲームは『ウィニングイレブン』(コナミ)シリーズをはじめとし、フィールドは横型になっているが、このゲームは縦型だ。前後半で上に攻めるか下に攻めるかが変わってくる。

登場する選手ごとに10段階のパラメーターがあり、ドイツ代表の場合、「マッテルス」(マテウス)はキック力10、走力9、ドリブル力10、ショルダータックルの攻撃力2、ショルダータックルの防御力9などとなっている。アルゼンチンの「マラドナ」(マラドーナ」は最初の3つは「10」だ。日本はとにかく弱く、DFの「チュウヤ」(柱谷哲二)、「カトキウ」(加藤久)、「ホリケ」(堀池巧)、「チナミ」(都並敏史)の全員がキック力とドリブル力が「1」だ。「カズクン」(三浦知良)だけがキック力10、走力10とズバ抜けている。

こうした能力値が明確にあるサッカーゲームの登場に我々は興奮し、とにかく友人宅に集まればこのゲームの対戦に興じまくっていた。特に熱心だったのが尾形君だったが、彼はこのゲームをやり過ぎて指を疲労骨折してしまったという。