10万人を殺した強すぎる呪いの力 それは一枚の振袖からはじまった|Mr.tsubaking連載 どうした!?ウォーカー 第47回
なんと恐ろしい結末に……
それからさらに一年、最初に亡くなった彼女の家族は三回忌、次に亡くなった女の子の家族は一周忌の法要で、再び本妙寺で再会します。
そこでなんとまた葬儀が行われており、驚くべきことに棺にはあの振袖がかけられているのです。
二つの家族は大層驚き、葬儀を行なっている家族に聞いたところ、なんとそっくり同じ境遇で同じ17歳で亡くなった女の子の葬儀だということを聞かされます。
実はこの振袖、女の子がなくなる度に一緒に焼かれずに密かに質に売られていたとのこと。
しかし、この事情を知った三つの家族が流石に振袖を薄気味悪く思い、合同で施餓鬼供養を行って彼ら自身の手で振袖をお焚き上げすることにしました。
そして振袖に火をつけた瞬間、突然に北から一陣の風が吹き、炎が延焼をはじめます。
それを機に火は家から家、町から町にひろがっていき、江戸中を火の海にしたのです。前述の通り、その死者は10万人を超えるとも言われ、天下泰平の象徴だった江戸城までをも西の丸を残して全て焼いてしまいます。
その後、現在も江戸城の天守閣がないのはご存知の通り。
そのため明暦の大火は「振袖火事」と言われているのです。
関連記事:男女の仲を引き裂く神が祀られた弁財天の真ん前でホストがメッタ刺し 『新宿』という街の暗い成り立ち | TABLO