ドヤで結核に感染、ホームレスになり万引き 裁判で男が語った文学的第二の人生が興味深い
たくさんあれば賑やかで寂しくない
さて「死ぬ前に読みたかった」という理由で本を万引きした彼ですが、それなら20冊も盗む必要はないように思えます。
「死ぬなら夜だと思っていました」
という彼は15時頃に犯行を行っています。どんなコミックを盗ったにせよ、夜までに20冊も読むのはなかなか困難なことです。検察官もその点について質問していました。
ーー20冊も盗んでるっていうのは、どういう理由なんですか?
「寂しくないかな、と思って…」
ーーん? 寂しいって?
「いや、1冊だけだったら本が寂しくないかな、と思ったんです。たくさんあれば賑やかで寂しくないかな、と…」
本が寂しくないように、というこの発想は文学的と言えるものなのでしょうか。私には理解できませんが、かなり独特な感性の持ち主であることは確かだと思います。
そんな彼ですが拘置所で約2ヶ月過ごし、結核と不眠症の治療を受けたことで大分変化がありました。