ドヤで結核に感染、ホームレスになり万引き 裁判で男が語った文学的第二の人生が興味深い

「犯行時は肉体と精神のバランスが崩れていました。でも今は思考がきちんとできています。ようやく落ち着いて物を考えられるようになりました。もう自暴自棄な考えはありません」

さらに今後どう社会復帰していくのか、その道筋も明確に思い描けているようでした。

「やはり犯罪を犯してはいけないと思います。これからは再犯を犯さないために毎日日記をつけて自己を省みます。毎日の清掃をきちんとします。そして仏教を学んで、その教えを実践して生きていきます。裁判が終わったら、仏門に入ろうと思っています」

彼の語る説法を聞きたいかと言われればもちろん聞きたいです。窃盗の前歴2件と前科1犯を有するお坊さんの説法が面白くないはずがありません。

失敗を重ねた人にしか語れないこともあるのです。(取材・文◎鈴木孔明)

あわせて読む:「いつか従業員を殺すことになる」 定食チェーン・大戸屋の公開パワハラ 密着番組が暴露した残業100時間の店長に「目が死んでる」という社長 | TABLO