自転車のながらスマホで通行人を轢き殺した女性 なぜもっと取り締まれないのか? 裁判所で被害者遺族が悲痛な叫び
弁護側証人として、被告人の夫が出廷しました。裁判の時点で結婚して3年目でした。被告人として、犯罪者として裁かれている妻が悪意を持って犯行に至ったわけでないことを彼は誰よりも知っています。しかし同時に、庇いきれないほどの重大な落ち度があったことも彼は知っています。
「もう妻には自転車を運転させません」
と言って頭を下げることしか彼にはできませんでした。
今後彼は故意でないとはいえ人の命を奪ってしまったという業を背負った被告人を支え続けていかなければなりません。その道のりが楽なはずはありません。
被害者は86歳の男性です。彼は池袋の介護施設で非常勤で働いていた現役の医師でした。事故前は医学関係の講演会などに精力的に参加し、普段から専門書を読むなどの勉強を欠かさない方だったそうです。
この年齢で医師として働き続けるということ、そこにどれだけの努力があったのかは想像に難くありません。体力が衰えないよう、5~6キロの散歩を日課としていました。
事故に遭った日も家族に「散歩に行ってくる」と告げて家を出て行きました。結果として、それが家族と交わした最後の会話になってしまいました。
生前、被害者は奥さんに「あと10年は生きたいな」と話していました。その希望は、いわゆる「ながら運転」をしていた被告人にあっけなく奪われました。
裁判では遺族を代表して被害者の娘の意見陳述が行われました。
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