こぶしファクトリー解散まで、あと約一ヶ月 Berryz工房の意思を受け継ぐアイドルグループの5年間を振り返る
では、どうしてこぶしファクトリーは解散という決断に至ったのか。それはもう公式コメントを受け止めるほかないのですが、まさにメンバーそれぞれが次なる夢を持ったからとしか言い様がありません。
アーティストになるために今の環境を変えたいと思った広瀬さん然り、女優の道に進みたいと思った野村さん然り、自己プロデュースをして様々な分野で活動したいと思った浜浦さん然り、自分の人生を自分で切り開こうとする若者を止める権利など、誰にもありません。これはもう本当に仕方ない。
それと同時に、和田桜子さんの「私にとって、こぶしファクトリーはすごく大切な存在で、5人で活動することに意味がある、この5人でなければ、という気持ちが強くありました」というコメントも重要です。誰かか欠けたら、こぶしじゃない。こぶしじゃなければ意味がない――。8人組としてスタートし、1年で3人が抜けるという試練を超えてきたこぶしファクトリーなのですから、今の5人に強いこだわりを持つのは当然のこと。“こぶし組”と呼ばれるファンだって同様に、「5人でこぶしファクトリー」ということに対して強い思い入れがあるはずです。
こぶしファクトリーは、2019年5月に東京と大阪で初めての単独ホールコンサートを行いました。“単独ホールコンサート”は、早い段階でこぶしファクトリーの目標として公言されていたものです。正確な情報はありませんが、おそらく初ライブハウスツアーを成功させたあたりから、そういった目標を口にしていたはずです。
そして、初単独ホールコンサートとなった2019年5月3日の中野サンプラザ公演のMCでは、2020年にホールツアーを行い、2021年に日本武道館公演を成功させたい――と、次なる目標を掲げていました。このときは、ファンも輝かしい未来を描いたことでしょう。
しかし、それらの目標を果たすことなく、解散を選んだメンバーたち。もしも、ホールツアーと日本武道館公演という目標が達成できそうな現実があれば、解散しなかったのではないか……と、勝手な想像をしてしまうのも事実です。