タイ国で日本からの入国者に『隔離義務』の事実は無い! 正確には「協力要請」(3月5日現在) 新型コロナ騒動では冷静に公的文書を読み解く力を

このような、タイで新型コロナ騒動となっている本報道。

これについては、タイニュースなどを配信するPJA NEWSを執筆している筆者も意見を書いておきます。

報道する人間の視点で言えば、日経新聞の上記の3月3日の報道内容は、事実確認としてタイのアヌティン保健相がFacebookに投稿してまで発表した内容を確認した上で報道しており、これを論拠にタイ保健省の発表を伝えるのは、報道する人間として当然のことです。

この点は、十分な事実確認がされている上に、たとえば誤訳や誤解などがあったわけでもなく、何ら問題があるようなものではありません。PJA NEWSの筆者だって、もしアヌティン保健相が発表した内容が確認できたのが先なら、日経新聞と同様に報道していたでしょう。

筆者は、たまたま先に上記のBangkok Postの記事を確認していたから、この記事を書かずに確認対応を優先していただけです。

問題となったのは上記のBangkok Postが報じる通り、タイのアヌティン保健相がFacebook投稿をした後、わずか数分後に何の理由の説明もなく削除し、これから検討という内容に変えて、対応が右往左往してしまっている事です。

 

一方で、日本の大手経済紙である日経新聞の報道の影響は、日本社会に対して非常に大きいですから、そこで「日本からタイへの入国者の隔離義務」の事実などないのに、あるかのように広まってしまった誤解を解かなければならないという状況となりました。

この「誤解を解かなければいけない」という在タイ日本大使館の側の事情ももっともであり、そのために出されたのが2020年3月5日の、上記の在タイ日本大使館からの通知です。