誰が木村花を「殺した」のか 人気女子プロレスラー謎の死 書き込む前にアンチコメントの凶悪さを知るべき

ただ、木村は真面目だったのか、コメントをよく見ていたようだ。こんな投稿もしている。「毎日100件近く素直な意見。傷ついたのは否定できなかったら。死ね。気持ち悪い、消えろ、今までずっと私が1番私に思ってました。お母さん産んでくれてありがとう。愛されたかった人生でした。側で支えてくれたみんなありがとう。大好きです。弱い自分でごめんなさい。」とあったが、数多くのリプライやDMに、自ら対応していたと思われる内容だ。ネガティブな内容がどこまであったのか。

ネットの情報はコメントが伝播、拡散することがある。Twitterでリツイートされ、あるいは、Facebookではシェアされるなど、多くの人がその情報に接するようになる。リツイートは、共感だけでなく、反感や告発、嫌がらせの場合だってある。例えば、Twitterの通知を見ると、自分のアカウントにリプライ(返信)があった内容を簡単に見ることができる。また、自分の名前で検索すれば、自分の言動や投稿への賛否が書かれている。それも、様々な意見があると思うだけの精神的余裕があればいい。しかし、何かの事情で、余裕がなくなっている場合は、よりネガティヴに働いてしまう。

子ども同士のネットいじめは、限られた人間関係の中で起きる。狭い範囲であるからこそ、他人からの評価が気になり、つい書き込みを見てしまう。それがLINEであれば、より狭く、同調圧力が係りやすい。ただ、大人であっても、多様な人間関係があったり、多忙であれば、情報を相対化でき、気になる度合いも低くなる。しかし、現在は、コロナ禍。人に会う回数も減り、ネット上の情報が相対的に高くなっていたのではないかと推測してしまう。