特殊詐欺事件裁判で明らかになった「受け子」の報酬 使い捨てにされる彼らに下る刑の重さとは?

なぜ、その金額で…

唐川聖也(仮名、裁判当時21歳)は地元の網走の高校を中退後、土木や漁業関係の仕事を転々としていましたがどの仕事も長続きしませんでした。
「目標が何もなくて働くのがイヤでした」
と彼は供述しています。

何をしたかは裁判では明かされませんでしたが未成年時に少年院に2回入っていました。成人しても定職に就かず暴力団事務所に出入りするようになっていた彼にある日、転機が訪れました。

「今、受け子を探してる。東京に来ないか」

組事務所で兄貴分としている男からの誘いでした。受け子、というのはいわゆる特殊詐欺の現金を受け取りに行く役柄のことです。
「兄貴分の信頼を裏切りたくなかったです。善悪の区別もついていませんでした。お金欲しさもありました」
彼は、友人を伴い上京してきました。