特殊詐欺事件裁判で明らかになった「受け子」の報酬 使い捨てにされる彼らに下る刑の重さとは?
被害者となったのは78歳の、夫と二人暮らしをしていたおばあちゃんでした。
「家にいたら警察を名乗る人から電話がかかってきました。『捕まえた詐欺グループのリストに旦那さんの銀行口座の情報がありました。まだ逃げている犯人がいるので、口座を悪用されるかもしれません。すぐにでも口座の停止手続きが必要なので、いまから金融庁の中村という者を向かわせるので中村にキャッシュカードを預けてください』と言われました」
電話からしばらく経った後、『金融庁の中村』を名乗る男が訪れてきました。
中村は偽名で、もちろん金融庁の職員でもありません。この男は、網走から上京してきた唐川でした。被害者は家の中に彼を入れましたが、名刺を出さないこと、ネクタイをしていないことなど不審な点が多々あったためキャッシュカードを渡すのを拒みました。
しばらくキャッシュカードを渡すように説得され続けましたが、拒み続けると中村は帰っていきました。その後、被害者は110番通報し、玄関の防犯カメラ映像などから彼は詐欺未遂の容疑で逮捕されました。
参考記事:なぜ騙される? 架空の投資会社「SENER(セナー)」が数十億円の詐欺被害を出した裁判を傍聴しました | TABLO