「このままでは殺される」 息子のDVに耐えきれず父親(67歳)が訴え 弱者への暴力は決して許されない|裁判傍聴

今回の傷害で父親は顔面を複数回殴られ骨折するなど大きな怪我を負っています。そこまで暴力がエスカレートしたのは何故なのか、被告人質問の中で彼は犯行当時思っていたことを語っています。

――殴った後、お父さんに『遺書を書け』と迫ったそうですが、殺すつもりだったんですか?

「そんな意味ではないです。反省文くらいの意味で言いました」

――『父親を殺して俺も死ぬ』とお母さんの友人にラインを送ってますよね?

「暴力は申し訳ないと思ってます」

――今後は実家を出て自立支援センターに行って就職活動をするそうですが、センターって集団生活ですよね? そこで他の人とうまくいかなかったらどうしますか?

「暴力に訴えず話し合いで解決します」

――今回も話し合った末に許せなくなって暴力を振るったんですよね?

「それは家族のことなので…この1年は仕事もなくて精神的に不安定になってました」

――犯行直後に、以前捕まった時に書いた家族との約束事が書かれた示談書を切り刻んだのは何故ですか?

「父が約束事を破っているのに自分だけが守る必要はないと思いました。納得ができませんでした」

彼が切り刻んだ示談書の中には『病院へ行く』という項目がありました。再犯を防ぐためにメンタルクリニックに通うことを約束していたのです。しかし彼は病院には行きませんでした。父親が約束を破ったと判明する以前から彼はすでに約束を破っていたのです。