漢を見せた! K―1から皇治が違約金を払って参戦 魔裟斗が切り開いた道 天心VS武尊戦の実現への一歩か
コロナだからこそK-1は鎖国政策で行くのでは
「K-1はコロナだから余計に鎖国の姿勢でいくんじゃないですか」
――と、言いますと?
「要は広げようとしないんじゃないですかね。言い方は悪いですけど、信者ビジネスなんで。K-1は信者を増やしてやっていくということです。『100年続くK-1』と主催の方とかはおっしゃってますけど。昔のK-1は拡大路線だったじゃないですか。他団体と交流戦をやったり、強い選手を呼んできて、とか。その結果失敗したんで」
――失敗したという評価ですか?
「最後、潰れてしまったじゃないですか。だから新生K-1は堅実にどんどんファンを増やして、システムもしっかり作って、今、ジュニアとかも作ってるじゃないですか。で、直轄のK-1ジムをいっぱい作って、そこから育ってきた選手が活躍して、KHAOSがあってKrushがあってK-1があるというシステムですね。かつ、独占契約をしているので選手はほかに流出しない。そのパイを徐々に広げていこうっていう作戦だと思います。」
――誰が最強かという夢は置いておいて、ビジネスとしてマネタイズできれば良いということなんですかね。
「その中でやってる分には大きなハズレはないですからね。特にコロナみたいな不安定な状況だからこそ、一番手堅いところにいくんじゃないですか」
――なるほど。選手はそれでいいんでしょうか。
「それでいいからK-1にいるんじゃないですか?」
――K-1が出来た時って、「立ち技最強を決める」という石井館長の壮大な理想があって、それでブームになったと思うんですけど、今のK-1は違うという事でしょうか。
今のK-1と石井館長が創った立ち技最強を決めるK-1は別物
「今のK-1は昔のK-1とは完全に方向性が違うと思うんですよね。要はちゃんとシステムを作って、昔のK-1の反省点を踏まえている、と。昔のK-1ってオフィシャルジムもなかったし、アマチュア制度も、後半のほうになってK-1甲子園とか出てきましたけど、そういうのもなかった。昔は下部大会みたいなのもなかったじゃないですか。昔のK-1は、他団体のトップが参戦するみたいな感じで、K-1が立ち技最強の頂点の大会」
――今だと、選手が勝った後、マイクで「K-1最高」って言っていますよね。
「武尊も言ってますね。『K-1最高!』って」
――「最強」ではないんですね。
「最強ではないでしょう」
――最強を求める選手の心理として、より強い選手とやりたいっていうのないのでしょうか?
「選手はあるんじゃないですか? 格闘技を始めてプロで試合しようっていう選手の殆どは、強くなりたくてやるんでしょうから」
――そうですよね。ですから、K-1の選手のモチベーションってどうなるのですかね。マネタイズもちゃんとしなきゃいけないのはわかるんですけど、僕らは格闘技をなぜ観るかというと夢を見たいからですよね。例えば、辰吉丈一郎vs薬師寺保栄戦とか畑山隆則vs坂本博之戦とか、10年前だったら山本“KID”徳郁vs魔裟斗戦なんかは格闘技がわからない人も観ていたぐらいでしたけど、そういう格闘技ファンの向こう側をK-1の選手は求めてないんでしょうか。
「求めてない人も、いそうな感じですね」
――一ファンとしては村社会化している感じがするんですよ。
「K-1とキックボクシングは違うからっていうことなんでしょうね。K-1はK-1という競技であり、ジャンルだっていう」
――そうするとK-1というものが創立当時のコンセプトと違っていますよね。最強を決める大会ではなくなっているというか。
「『K-1 WORLD GP』っていうトーナメントやってますけど半分は日本人ですしね。外国人も強いのは他と契約して来られない選手もいますし。昔のK-1とは全く別物です。」
――それは、K-1ファンには良いかも知れませんが、他の格闘技ファンには届かないのではないでしょうか。
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