コロナ禍で格闘技界はどうなるのか 格闘技界一「熱い男」RIZIN榊原CEOインタビュー この状況で大会をやる事の意義とは

――あと、K-1から「移籍」してきた皇治選手がリングに上がって那須川天心選手に対戦アピールしていましたけど、皇治選手は初めからやる気だったんでしょうか。ブーイングもありましたが。(9月27日さいたまスーパーアリーナ、RIZIN24にて対戦決定)

「皇治が違約金まで払ってK-1を出てRIZINに上がるテーマのひとつは天心と戦うことだと思うんで。これまでのインタビューとか含めていろんなところで天心の名前は出していたわけですから。ただリング上に呼び出して、ああいうことまでするとは思わなかったです。当然マイクを握って皇治が発言するところまでは段取りするけど、何を話すかというところは本人次第ですからね。事前に自分の思いをアピールしろと言っていたんですけど、それが暴走してしまった(苦笑)」

――最後に、前回おうかがいしたメガイベントみたいなものの構想をお聞かせ頂けますか。

「まだ全然諦めていないです。いずれにしても現状、日本政府は海外140何ヶ国からまだ入国拒否をしていますし、アメリカに行くことはできてもアメリカ人は入って来られない。世界的にも日本ぐらいなんですよ、こんな対応をしている国は。

いずれにしても日本が鎖国を解かないといけないですよね。だから日本も9月の声を聞いたらそうなっていかざるをえないんじゃないかとは聞いてますけどね。そういうなかでわれわれが必要とするブラジルとかアメリカとかロシアとか韓国の選手が入国できるようになること。あとは観客の上限がキャパの半分とか、結局9月いっぱいは5000人が最大っていうのがそのまま継続されることが決まったんで、何万人も入れての大会は開けない。この上限が外されれば、メガイベントに向けてより具体的に動き出せると思います」

――それには、格闘技のドリームマッチが必要だと思うんですけど。前回のインタビューで、『武尊の骨を拾ってもいいよ』とおっしゃっていて男らしいなと思いました。今の状況では「武尊vs天心戦」がメガイベントのメインになると思うんですけど、それに向けての働きかけをしてらっしゃるのかっていうのはどうですか?

「色んな角度で実現のためのアクションは変わらずに続けてはいます。ただ、やれることは限定的ではあるし。天心の周りとは状況は把握していますが、武尊サイドのことがわからないんで。もちろんK-1サイドの人たちともコミュニケーションを取るんですけどね。

ただ武尊という選手とは僕も話したことがないんです。武尊選手が今どう考えているとか、どうなることで実現に向かうのかっていうところは本人の声が聞こえてこないわけです。われわれが機能することで進むのであれば、ファンのためにも選手のためにも実現させてあげたいし、させるべきだと思います」

――格闘技史上に残ると思います。キックだと山本KID vs魔裟斗戦みたいな感じで。

「そうでしょうね。だから選手たちにとってはボクシングだと辰吉vs薬師寺もそうだけど、たくさんやる試合のなかでみんなの記憶に残る対戦をどれだけ現役の時代に積み重ねられるかということ。それが現役を終えたあとの財産としてはとても大きなものになると思います。そのときにみんなが観たい、自分がやるべきだと思うライバルなり目標がいるんであれば、いろんな山を乗り越えてでも実現をさせられるといいなと思いますね」

※「榊原CEO、熱い」。そんな想いで二回めのインタビューを終えて帰路につきました。格闘技専門媒体でいない本サイトに、このようなインタビューを掲載するのも、一格闘技ファンとして意義があるものではないかと思う次第です。また、あの格闘技ブームが来ないかな、世の中を面白くさせるためにも、と強く感じています。(文◎久田将義 写真提供◎@RIZIN FF)

 

参考記事:漢を見せた! K―1から皇治が違約金を払って参戦 魔裟斗が切り開いた道 天心VS武尊戦の実現への一歩か | TABLO