日本唯一の刺青専門資料館に行ってみて思う「りゅうちぇるのタトゥー」問題|Mr.tsubaking
日本においては、沖縄県を中心に「針突」という刺青の文化がありました。
女の子が12〜13歳になると手の甲や肘に竹針で刺青を入れはじめ、結婚するタイミングで完成に至るという、女性の通過儀礼です。女性差別や虐待に感じる方もいるかもしれませんが、決してそのようなことはなく、魔除けや地域の誇りとして入れられ、はじめて針突を施す際にはお祝いをしたといいます。
琉球王朝時代からのこの伝統も、明治時代には禁止令が出されました。しかし、文化はすぐに死ぬことはなく、昭和の初め頃までは密かに続いていました。そんな針突を入れた女性も2016年に最後のお一人が亡くなり、今では見ることができません。
現代、タトゥーの賛否を語る場では「個人の自由」について多く議論されます。どちらの意見にせよ、それだけでは不足があるのです。なぜなら、世界各地で形や思いを変えながら連綿と繋がってきた文化でもあるからです。それを感じられる珍スポットでした。(Mr.tsubaking連載 『どうした!?ウォーカー』第17回)