「嘱託殺人」の結末 彼女の首を絞めている内に音が聞こえなくなり… “添い寝”店で出会った二人に訪れた別れのとき|裁判傍聴
事件現場は都内のラブホテルの一室でした。岩下あや(仮名、裁判当時23歳)がベッドに横になっている大谷美和(仮名)の上に馬乗りになって首に手を添えると、美和は微笑みながら言いました。
「どうぞ」
その笑顔を見た時、彼女は、
「本当に死にたいんだ…」
と思いました。それでもやはり躊躇いがあり、はじめは軽く首を握っているだけでした。少しずつ首を握る手に力を入れていっても美和は微笑んでいました。その笑顔を見て彼女は確信しました。
「本当に殺してほしいんだ」
本気で首を絞めました。殺した後で自分も死のう、そう決めていました。無我夢中でした。もう美和の表情を見ることもしませんでした。部屋の中でずっと聞こえていた空調の音が遠くなっていきました。
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