児童買春・大麻所持・特殊詐欺・盗撮・飲酒運転・風俗店バイト…相次ぐ警察不祥事 19年前を忘れたのか

「00年の『警察改革』は多くの警察官にとって歴史上の一コマに過ぎないのかも」と、改革の関連法改正に携わった警察幹部は嘆きます。19年前の恥ずかしさを身をもって体験していない層が増え、不祥事によって国民の信頼を失う怖さが理解できないのだという。

不祥事が起きるのは防げない。発覚したら隠さず、徹底的に原因や背景を解明して再発防止に役立てる。これを地道に続けるしかないのが現状のようです。

広島県警広島中央署では、署内の金庫に保管中だった特殊詐欺事件の証拠品8572万円が2017年に盗まれました。解決できていません。大阪府警富田林署の留置場から、強制性交容疑などで逮捕されていた男が逃げたのは2018年8月でした。その後の検証で、留置管理の基本をないがしろにしていた不手際が多数わかりました。面会室の出入りをチェックするブザーの電池が抜かれていた▽月に一度の設備点検が義務づけられているのにしていなかった▽留置場内に持ち込み禁止のスマホで担当警察官がアダルトサイトを見ていた、などです。逃げた男を山口県で確保するまでに49日を要しました。凶悪事件容疑者がつかまるまでどれだけ国民を不安にさせたことか。

私は2012年9月28日付朝日新聞朝刊「記者有論」という欄に「警察へ 不祥事なくせ 能書きいらぬ」と題した記事を書きました。多くの警察官・職員が、時に生命の危機を顧みずに日々仕事に取り組んでいることは知っています。それでも同じ事をしつこく申し上げたい。(文◎緒方健二/朝日新聞)

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