児童買春・大麻所持・特殊詐欺・盗撮・飲酒運転・風俗店バイト…相次ぐ警察不祥事 19年前を忘れたのか

なぜ逃亡犯は増えつづけるのか

「全国の警察官・職員は30万人弱。これだけの人数がいるのだから絶無は不可能」と、ある警察幹部は言います。幹部がそんなことを言ってはいけません。縦社会の警察組織は上意下達が徹底しています。不祥事に対する幹部のこうした認識は、公言せずともじわじわと組織に広がっていきます。長く警察を取材してきた経験に基づく実感です。

最近の不祥事で気になるのは、警察の本義をかなぐり捨て、というより本義を知らないのかと思えるほどの無軌道ぶりです。警察の基本を定めた警察法は、警察の責務について①個人の生命、身体及び財産の保護に任ずる②犯罪の予防、鎮圧及び捜査、被疑者の逮捕に当たる③交通の取り締まりに当たる、などとしています。

実態はどうでしょうか。

京都府警山科署の巡査が2019年6月、詐欺容疑で逮捕されました。ネタは特殊詐欺です。といってもこの巡査が、いま全国で猛威をふるう特殊詐欺そのものをやったわけではありません。特殊詐欺対策に乗じて、伏見署交番勤務時代に78歳の男性から約1180万円をだまし取ったとされています。

きっかけは金融機関から警察に寄せられた「男性が大金を引き出そうとしている。特殊詐欺被害かも」との通報でした。巡査は男性の元へ行き、事情を聴くうち、男性が資産があるのに生活保護費を受給していたことをつかみ、その捜査を装って「お金を預かる」などとうそを言って詐取しました。

お年寄りらが1日に1億円を全国でだまし取られている特殊詐欺の被害防止は、警察の重点項目です。金融機関にも協力を求めていて、「大金を引き出そうとするお年寄りがいたら即座に通報を」と呼び掛けています。その通報を巡査は逆手に取って犯行に及んだのです。金融機関の信用も損ねました。今後、協力に二の足を踏みかねません。巡査はFX投資にのめり込んでいて、詐取金の大半をこれに充てていたようです。

参考記事:教職者の未成年に対する淫行でまたもや逮捕者! 「わいせつな行為」と「みだらな行為」の違いとは? | TABLO