文学界「ケンカ最強」は誰だ! 中上健次、梁石日などそうそうたる作家が挙げられる中、やはり1位は“あの人”しかいない!
彼らは武道を修めたがゆえに喧嘩にたやすく手を出さないか、逆にあまりにディープな修羅場をくぐり抜けているために、街場の喧嘩には収まらない面があるので、今回は「特別枠」とさせてもらいます。強いことは、間違いなく強いと思います。
今野敏は、肩書に「作家。武道家」と書かれることもあるように、空手を極めた人です。自ら「空手道今野塾」を主宰して弟子を指導、体験と体感を描写に活かした武侠小説も執筆しています。
「塀の中」に計8年間もいた故・安部譲二も、玄人稼業の時代に馳せた勇名からすると、かなりの武闘派だったと思います。安部譲二が『PLAYBOY』でマイク・タイソンにインタビューしたとき、顔つきからして2人はソウル・ブラザーという印象で、日米「路上の不良」が肝胆相照らす様子は、実に魅力的でした。
やはり故人ですが、梶原一騎の弟にして作家、極真空手の師範でもあった真樹日佐夫も武闘派作家として忘れられない存在です。その虚実かねそなえた武勇伝については、真樹日佐夫自身の著書『すてごろ懺悔』や、吉田豪によるインタビューをお読みください。
「突破者」こと宮崎学も、よく知られたように、かつて闇社会に身を置いた人です。作家になってからも、某政治グループから付け狙われたとき、「そこらへんの活動家なんて、10人束になってかかってきても素手で殴り倒せる」とうそぶいたとか。
では、第3位以降に戻りましょう。