文学界「ケンカ最強」は誰だ! 中上健次、梁石日などそうそうたる作家が挙げられる中、やはり1位は“あの人”しかいない!

「なんと言っても、椎名誠さんだと思いますよ。学生時代から柔道とボクシングに打ち込み、それだけでなく、『喧嘩道』を極めている。まず鼻にパンチを入れるとか、腹に蹴りを入れるとか、両耳をつかんで鼻の下に頭突きをかますとか、棒はどう使うかとか、喧嘩に明け暮れた若い頃に、セオリーとスキルを確立させているんです。椎名さんの自伝的な小説の喧嘩シーンは、意外にも、すさみ切ったリアリズムがあります。もちろん、もう喧嘩はされませんが、いまでも毎日、腕立て、腹筋、スクワットを続けていて、筋金入りです」
力強い推薦です。

第1位 椎名誠

という結果になりました。あの大らかな椎名的世界の裏側に喧嘩道があったとは。

最後に、いまの若い世代の作家の喧嘩事情はどんな感じなのか、誰が強いのか、若手作家の作品を世に送り出してきた30代前半の文芸編集者Eさんに尋ねてみました。

「いないですね。というか、誰が喧嘩が強いかとかが話題になることなんてないです。コロナ以前から、ゴールデン街や文壇バーに行くことはあまりなかったし、カルチャーが違うんです。それを、文学から肉体感がなくなったことの現れとか言う人もいるんでしょうけど、僕はシーンがまったく変わったんだと思います」

そう言われると元も子もありませんが、喧嘩自慢なんて古い、というわけですね。若い作家の間では、すでに「新しい生活様式」が定着しているのかもしれません。<文中敬称略>(文◎編集部)

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