村西とおる監督を描いた『全裸監督』がNetflixでドラマ化 著者の本橋信宏氏と対談|平野悠
テレクラ VS キャバクラで徹底討論
平野:ロフトプラスワンはさ、昔は楽しい企画がいっぱいあって、「テレクラがいいか、キャバクラがいいか、徹底討論!」なんてバカなことばっかりやってたんだよね。たぶん、そのときに本橋さんが一番最初に出てくれたんだよ。カンパニー松尾と。
本橋:そもそも、わたしが初めてロフトプラスワンの存在を知ったのは、新宿区富久町にあったころですね。元赤軍派の塩見孝也さんの話が聞けるってことで、本サイト編集長の久田くんと一緒に行ったんですよ。中に入ってみたら、居酒屋っぽくて、真ん中で誰かがしゃべってて、なんか変でしたよね。
平野:隠れ家風とか言ってごまかしてたけどね、新宿から歩いて25分もかかるんだよ。ひどいよね。
本橋:今みたいにステージがあってみんなが見るっていうわけじゃなくて、勝手にしゃべっている人がいるなぁって感じでしたよね。
平野:ヤジが飛んでおもしろかったですよね。で、本橋さんたちがキャバクラ派だったんだよ。テレクラ派がカンパニー松尾さんと宮台真司と末森ケンさんと俺。
本橋:AV監督の日比野正明とバクシーシ山下監督、それにわたしがキャバクラ派で。「テレクラ VS キャバクラ、男の天国はどっちだ?!」ってね、論争しようと。……くだらないなぁ〜(笑)。
平野:アハハハ! バッカだよね〜(笑)。こんなことばっかりやってたんだよ。
本橋:で、どっちがおいしい思いをしたかって言うと、テレクラ派が圧勝なんですよね。
平野:キャバクラで手をにぎるまではいけたけど、寝たヤツはひとりもいなかったんだよね。テレクラは夢があったよね。
本橋:当時のキャバクラ嬢のファッションが好きなんですよね。今はもういないけど、トサカみたいな前髪とスーツ着てて。あれが好きでキャバクラに行ってたんですけどね、おいしいめにあったことないですよ。バクシーシ山下監督がおいしいめにあったって言うから聞いてみたら、手をにぎってほっぺにチューしただけですって(笑)。『女犯(1990年・V&R)』の山下がたったそれだけかー! 情けない! って(笑)。
平野:アハハハ! そんなことをジジイたちが朝まで討論してんだよな、笑っちゃうよな。
本橋:バカバカしいことを真面目に論じる、というのもわたしのテーマですから。