新型コロナ騒動で吉本興業は全劇場封鎖 「収入源を絶たれたわけで…これから先どうなるんだろうって」 芸歴20年目グランジ・大さんの絶望と希望

――椿さんはそういう才能があるんですね。因みに、大さんはなぜ芸人の世界に入ろうとしたんですか。

「高校を出て19から20歳まで働いていて、20歳のときに高校の同級生に誘われて吉本のNSCに入ったのがきっかけなんですよ。だから僕自身がお笑い芸人というのがそこまで強くなかったんです。で、誘ったヤツが三ヶ月でやめやがって、怒りで残っています。……怒りだけで20年やってきました(笑)」

 

――20年というと会社員なら管理職クラスですかね。

「僕はずーっと平ですわ(笑)」

 

――でも芸人の20年ってまだこれからって感じはないんですか?

「そんな事ないっすよ! 第七世代があって、突き上げがあって、諸先輩方もいて。だから35から45までの劇場芸人は結構色々思うところはあると思います。僕も含めて」

 

――でも、中堅の芸人さんて、皆さん面白いですよね。

「そう思います、ほんとに。15年以上やっている人は全員面白いです」

 

――芸人さんと僕ら一般人とは、本当に全然違うんだなって、僕もたまぁにテレビに出た時にはそう思っています。

「(笑)。テレビに出ていなくても15年以上やっているっていう事はいっときは出ていたりとか、そういうのがあったと思います。ずっと、小さい劇場しか出ていなくて10年以上出ている人ってほとんどいないんで。『面白い人』っていう認識があるからこそ残っていられる、というのが僕はあると思いますけど」

 

――空気の読み方とか凄いですよね、芸人さんは。

 

「こういう騒動で逆に、お客さんは本当に神様だって改めて思いました」
「こういう騒動で逆に、お客さんは本当に神様だって改めて思いました」

 

「俺はマジで思うんですけど、芸人だけのホストクラブみたいのがあればメチャ、流行ると思います(笑)。ルックスはアレですけど。サパーでもなく、ホストクラブでもなく、色恋ではなく、凄く友達になれる場所っていう。コミュニケーションの間で生きていく能力は芸人は凄く上手だと思うんで」

 

――一芸に秀でていますよね。

「太鼓持ち気質のヤツが多いんで(笑)。だから、みんなたくましく生きていますよ、こういう状況でも。副業もやっている人もいますね。飲食か建設かテレアポの代行とか」

 

――なるほど。が、やはり現在は、本業という仕事場が奪われた感覚になりますか。

「奪われたというか……。ウィルスに奪われたと言う感じですか。世知辛いですよ」

 

――人が集まらないと、エンターテイメントではないですもんね。

「確か、たけしさんが『戦争が始まったら一番いらない職業が芸人』と言ったと思うなですけど、ほんっとそう思いますね(苦笑)」

 

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