新型コロナ騒動で吉本興業は全劇場封鎖 「収入源を絶たれたわけで…これから先どうなるんだろうって」 芸歴20年目グランジ・大さんの絶望と希望

――この騒動は、政府マターで止められなくて、混乱が起きているのが良くないですよね。ティッシュペーパーとかマスクとか。3.11でも同じような混乱が起きましたからね。ガソリンスタンドに長蛇の列があって、怒鳴り合っていたり。

「歯止めが利かなくなってしまいましたよね。ティッシュペーパーとか、手で拭けよとか、ウォシュレットとかあるだろと思いますよね。情けないですよね。マスクの転売とか、ろくでもないっすね(怒)」

 

――3.11での混乱から学習していないのかって思います。

「3.11の未曾有の大災害で人間が成長していないっていうのが本当怖いですよね。クレージーですよ。見苦しいですもんね。浅ましいですよ」

 

――収束するのでしょうけれど、それからの芸人さんの地図は変わっていくのでしょうか。

「一般企業の人たちはテレワークしていますよね。テレワークが出来る企業はいいですよね。それが出来ない、中小企業はもしかしたら倒産とかがあるかも知れないじゃないですか。そっちの方が怖いですわ。収束後、夏祭りとかイベントがあって煽りを受けたら、やらなくなる事の方が多くなるかも知れないじゃないですか。だから収束しても、ここ2年くらいは芸人は相当苦しいんじゃないか、という風に僕は見ています」

 

最後に大さんは、こう付け加えました。

 

「世間のことは何とも言えないんですけど。でも芸人の世界がいいなって思うのは、こういう状況でも『自分さえ良ければいいや』ていう奴はいないんで。困っている後輩がいたらお金を貸してあげたりとか。そういう『長屋文化』が残っているのはこの世界に入っていいなって思います」。

 

【編集後記】

「テレビに出ている人だけが芸人ではない」。そんな当たり前の事を改めて思いました。そして、こういったギスギスした世の中だからこそ、「笑い」が欲しい、そんな感覚を持ちました。(インタビュー◎久田将義 写真◎編集部)

 

●グランジ/メンバー・五明拓弥、遠山大輔、大。2005年4月結成。吉本興業所属。

 

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