新型コロナ騒動で吉本興業は全劇場封鎖 「収入源を絶たれたわけで…これから先どうなるんだろうって」 芸歴20年目グランジ・大さんの絶望と希望

――大さんの新型コロナ騒動前の一週間のスケジュールを教えてください。

「僕は、はっきり言ってひまな芸人なので。ひまな芸歴20年目の芸人の一週間のスケジュールは劇場が二回から三回。で、営業が一回あるかないか。で、たまにテレビやラジオが一回あるかないか、が基本ですね」

 

――で、今はどういう感じでしょうか。

「今は劇場の配信があったりなかったりなんで……。週休6日ですね」

 

――え? それが一か月くらい続いていると言う事ですかね。

「僕、3月の仕事が全部なくなったんで4月の給料はヤバいですね。ただ、吉本がいいなって思ったのは、こういった事案になった時にLINEが来て、舞台のギャラは半額補填するというのがあったんですよ。

最初はこういうご時世だから、嘘のLINEが来たんじゃないかって、芸人の中でも嘘の情報が駆け巡ってんじゃないかと言っていました(笑)。でも本当に、劇場に関しては補填してくれるんで収入ゼロっていう事はないんですよね。これを聞いた時にさっきも言ったように『吉本はファミリーだな』って思いました」

 

――でも、芸人さんが5、6千人いるわけじゃないですか。

「吉本が持っている劇場に出ている芸人に関して、ですね」

 

――すごいフォローですね。

「20年で初めてですね、こういう事は。ほかの事務所で給料制でギャラを貰っている人は痛くもかゆくもないですよね、その会社は苦しいでしょうけど。ただ、僕らは完全に歩合なんで」

 

――芸人さんとしてのモチベーションを改めて感じたと。

「笑ってくれる人がいるからっていうのがあって。笑ってくれなかったら、俺はすぐ芸人、辞めます(笑)。やっている意味も分からないので。劇場は笑ってくれる人が目の前にいるからモチベーションですね。間違いなく。

でも、単独ライブを予定していたヤツはキツイですよね。中止なのか順延なのか分からない状態なので。準備に一年くらいかけてするんで。皆、新ネタ作ったりして。僕らも3.11(勿論2011年3月11日の東日本大震災の事)の時は中止になりましたね」