博士が生放送中に番組を降板した「真」の理由 『水道橋博士×町山智浩 がメッタ斬りトーク』(3)
博士:自分が入社した出版・言論の会社の社長が、最大権力者にこんなに媚びへつらう所を見せられる、社員や若者の気持ちになれっていうね。あれはトホホな気分になりますよ。
ボク、成功者が恋愛ごとに寄り添い、破天荒なのは大いに結構ですよ。何も問題ない。でも総理大臣って最大権力者でしょ。そこに寄り添う、政商をやって茶坊主をやって世の中を動かすって言うことに対して、これ何が悪いんだって言われたときに、俺55歳だけど、そんなの悪いに決まってんじゃん! まずカッコ悪いよ! 俺は何も持たざるものだけど、本を読んで、熱く滾った気持ち、若き青雲の志、正義感はどうしてくれんだっていう気持ちが止まないのよ、俺は!
こんなこと言うと、もうテレビ朝日やAbemaTVなんか、ほぼ出れないと思うよ。俺なんかもう。だったら干せよ!
町山:ああそうなんだ。本当に?
博士:俺、AbemaTVの年間アワードの審査員とかやったし、今のAbemaの番組の企画力も評価しているけど、最近、AbemaTVの『橋下徹の即リプ』っていう生放送番組に出してくださいってtwitterを何回送っても完全無視される。スルー。twitterでやってるわけだから全世界お見通し。でも、あえて無視ですよ。あれってよっぽど困るのかね? しかもあれだけ、橋下さんが強気で、誰でもかかって来い! という姿勢でやっているくせに。
町山:「ボーイズ」とか、見城がやってる政治プロパガンダ番組をそのままビデオで見せながら、リアルタイムで茶化す番組はどうだろう。日本ではあんまりないけど、アメリカでは、他局の番組のフッテージをそのまま引用して批評するのが許されてるのね。アメリカではディズニー裁判以来、批評する時は無断で引用していいんだけど、日本はまだ許されないよね。
博士:俺は裁判上等なんですよね、この本に書いていること自体はね。絶対的に裏取りに自信があるから。ま、それを含めてもただの物騒ではなく、圧倒的に面白い、笑える本なんだけど。(まだまだ続く|文中敬称略)
(2017年11月30日〈文春トークライブ 第20回〉 町山智浩×水道橋博士『言霊USA』vs.『藝人春秋』より)