未だに増加する振込詐欺被害 電話をかけたらこうなりました 詐欺集団とのリアル・バトル|久田将義

あくまで冷静に対処すること

僕「えーっと分かりました。僕も裁判、何回もやっていますので言いますよ。裁判前の和解もありますが、僕の場合、弁護士を入れているんですね。御社の場合は弁護士ではない訳ですし、和解をなさる資格があるのか僕は理解が出来ないんですけど。モバイルネットさんが僕の事を訴えるか、という段階に来ているんですよね」

ホ「さようでございます」

僕「最後通告みたいな形でメールが来ていましたから。そうですよね。和解するしないという事は、このケースの場合異質な感じがするんですよ。ではまず、モバイルネットさんがどの程度の事を考えていらっしゃるのか御社は把握していらっしゃるんですかね。裁判前のやり取りの事を言っているんですが」

ここまで話して自分で気づきましたが、説明が分かりにくければ分かりにくいほどそれは嘘に近づいているという事です。架空請求に限らず、政治家、一般人、詐欺師、あるいは同業で言えばジャーナリスト、編集者などにも言えます。

ホ「本日退会して頂かない場合、身辺調査の方をお願いいたしますといった感じです。……お話を聞いているとある程度、法の部分に関しては強いみたいなんで弁護士の方をご用意頂いてモバイルネットさんにご利用のご記憶がないという事を口頭弁論でお伝え頂いた方がいいと思いますよ」

段々イラっときているのがわかります、ホリモト氏。

ホ「今の段階でおきますと携帯とメールアドレスしか分からない状態じゃないですか。受付でお名前おっしゃって頂いていると思うんですけど僕らで調査を開始していないお話しなので私どもではまだ把握はしていないんです。そこでお答えというものだけ頂きたいのですけど」

あ、終わりそうだ。つなげよう。

僕「申し上げた通り2010年に使った記憶がないんで」

ホ「ええ、ええ、ええ。それでしたら訴訟をされた事があるのならそちらの方にご相談された方が宜しいと思うんですよ。当社の方が退会するってなってしまったとしても料金は絶対かかってしまうので」

僕「使っていないのにかかるんですか?」

ホ「……」

僕「使っていない事が、例えば司法によって証明されたとしますよね。そしたらそれは架空の請求をしたって事になりませんか」

ホ「架空の請求ですか」

僕「モバイルネットさんが、もし全くね、僕が27サイトっていうのを2010年に登録していない事が証明されていれば、この請求額189,000円ていうのが架空になりませんかっていう事を申し上げたい訳ですよ」

ホ「なるほど。逆に言ったらモバイルネットさんがそのような悪質サイトだとするじゃないですか」

僕「悪質とは申し上げてないですよ」

ホ「いや、大丈夫大丈夫です。そちらの方のご理解で大丈夫なんですけれども」

大丈夫って何がですか?

ホ「例えばそのような会社様のご依頼を僕らの方が承ってしまい、このようなメールを送ってしまうというのがそもそもの問題点になってしまうんで、正直僕らも危ない橋って渡れないんですよ。弊社の方も仕事を承る前にお客様の方が間違いがなく、国の方から認められた会社である事はご確認の上、ご連絡しています」

僕「法人登録されているんですよね」

ホ「もし宜しければ法務局の方へご確認頂いて……」

僕「いや、それはいいです。問題なのは提訴されるなら提訴されるで仕方ないと思います。それで登録の日がものすごい細かい数字で言われていますよね」

ホ「ええ、ええ、ええ。細かくて申し訳ないです」

僕「いえ、申し訳なくないです。その方がハッキリするので。僕は全く使っていないという確信があるので」

ホ「使ったとか使っていないとかじゃなく、登録データが残って……」

僕「同じです。登録もしていないという確信、じゃなく自信があるんですよ。にもかかわらず請求金額の内訳が事細かく言われてらっしゃる。ならば、その内訳事態が崩壊しちゃってますよね」